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中世から近代までの時代





中世からルネッサンスの近世 
ルネッサンス様式のデザインにはその時代の流行や聖教が影響しています。 
ロマネスク、ゴシックといったヨーロッパ最初の様式である水平基調、重厚、分厚い壁圧からの変化が始まってゆきます。 





ロマネスク、ゴシック様式を取り入れた建築の傑作


シエナ大聖堂/イタリア







ルネッサンス時代

15世紀の初めイタリアフィレンツェにてルネッサンスが始まる。 


メディチ家の豊富な資金により、古代ギリシアの美術品がフィレンツェに集められ、古典主義に影響されたブルネレスキ、ドナッテッロ、マサッチョなどにより象徴的な建造物、絵画などはかつてのゴシック様式より新たな様式を取り入れルネッサンスが始まりる。
17世紀フランス王国ルイ14世の時代バロック様式全盛まで続く。 




ヴェッキオ宮殿


フランチェスコ1世の書斎


ヴェッキオ宮殿/イタリア







ルネッサンス様式の特徴 


古典主義(ギリシャ)の復興、遠近法、バランスと調和、合理的、規則的、シンメトリー、正方形、正円





ルネッサンス様式の文様 






アカンサス文様 

地中海沿岸地方に野生するとげのある多年草の植物アカンサスAcanthusを図様化した装飾 

紀元前5世紀、アテネの彫刻家カリマコスKallimachosがコリント式建築の柱頭装飾に用いたのが始まりとされている。


その後アカンサス文はヨーロッパのロマネスク建築の中で咲き続ける。そしてバロック時代にアカンサス文は大復活を遂げる。
アカンサス文様はその後ヨーロッパ建築の柱頭装飾の基本形式として受け継がれたばかりか、しばしば工芸品の装飾にも用いられている。<Wikipedia参照> 




アカンサス文様/京都府庁旧本館


京都府庁旧本館にもアカンサスが刻まれています




京都府庁旧本館のHP 
はこちらです。 






つる草文様 


古典主義ギリシャ文化に影響を受けたルネッサンスは、ギリシャ時代より伝わる
『つる草』の文様が一つのモチーフとなっています。 


上記のアカンサスがメソポタミアやエジプトに影響を受けて、『つる草』のネットを作り上げ
そのネットがシルクロードをたどり、
中国にて『唐草文様』として中国の唐の国をイメージする名前で呼ばれようになりました。 





その後日本に『唐草文様』が到達。 




青が美しいアラベスク文様 シャー・モスク/Shah Mosque(イラン)

青が美しいアラベスク文様


シャー・モスク/Shah Mosque(イラン)


/写真Wikipedia 参照




そして8世紀に成立したイスラム文化は、複雑で緻密な結晶構造のような『アラベスク文様』作り上げた。 







古代ローマの浴場(タイタス)発掘


1500年頃行われ、ルネッサンスの画家たちはその浴場に描かれた幻想的なアラベスクに魅了された。


現代のルネッサンス文様に影響を及ぼしている。 


その後、ギローシュ、カルトゥーシュ、アカンサスといった唐草文の変異種も登場してきている。




現代のルネッサンス様式



フィレンツェを表す紙 

遠近法が取り入れられ、合理的、規則的、シンメトリーである。

ルネッサンス様式に因んだもの。

『つる草』と違う点は、ルネッサンス始まりを示すに敬意を示す花のつぼみの紋様が表される。



フィレンツェの文様1

青の濃淡で遠近的に表現された紙 





アリカコレクション包装紙

未だ開ききっていない花はルネッサンスの象徴とされ大切に受け継がれる 




木工品




  カルトゥーシュ木工品

ルネッサンスでよく使用される調度品の表現『カルトゥーシュ文様』 




金細工 

つる草文様/EDERA 文

上記のカルトゥーシュに似た形態。 



ルネッサンス様式 EDERA文


ダイヤにてこれから咲こうとする花を表現。






ルネッサンス様式 EDERA文




側面までダイヤが入る 



終わりに






時代の流れは、政治の力の流れや流行などにより、ファッションやデザインにまで影響を及ぼすものです。 

単純にその一時代の文様を語り尽くせないものではある。 

古代より現代にまで受け継がれる文化には物事の起源や生き残る理由があると思われる。


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はいこんにちは、
内部膝靭帯を怪我しちゃいました。汗💦



皆様すいません早く治します。

さて今日もフィレンツェより届いた傑作をお伝えします


エメラルドのリングをルネッサンス様式にて加工いたしました






素晴らしい色のエメラルドを基調としたリングでございます。

やっぱりエメラルドの色は青竹のようなグリーンかつブルーのこのような色は美しいです。
この色に対してルネッサンス様式のイエローゴールドは最高に相性の良い地金の色となっています。


風呂敷にいただいたままもう10年も金庫の中にあった






お母様が使われていたエメラルドのリングを見せていただいた際には、風呂敷にいただいたままもう10年も金庫の中にあったとの事でした。
お母様よりいただいたバケットカットのダイヤが取り巻く。

かつての宝石屋さんがいわゆる“プラチナ製ダイヤ取り巻きエメリング”
と言われる物。
高価であった事はわかるがデザインが … でした。


そろそろデザインを変えてみたい


デザインを変えたいが、今までと同じ様なものに大金を叩くのであれば、新しいブランド品を買った方がいい。
大切な贈り物は金庫の中で忘れ去られていた…


全部のダイヤモンドも使って作り替えたい


以前のリングに使われていたバッケットカットのダイヤモンドも全て使って作り替えたいというご希望。
ZOOMにて打ち合わせをイタリアサイドとお話しし、この様なデザインとなりました。




こちらはお客様のご希望により、初めての試みで世界でも唯一のデザインとなります。




デザインを書き直し





このお話を伺った際に、横の指にあたるのではないかなと気になり再度書き直し。


ちょうどダイヤモンドの大きさと配置した位置が相性が良く、横の指にも当たらずほんとにすっきりしたデザインとなりました。




バケットカットのダイヤモンドはリングの側面に配置され、とてもドラマチックなデザインとなってます。


フルオーダーとは




実はこのお客様の希望を叶えるべく…
イタリアの彫金家にダイヤモンドが指の当たる位置やダイヤモンドが美しく見える設置レベルと留め方等幾度となく口論となり…
終いには
dimannging man `要求ばかりの‘男‘
俺のところで注文を受けず他で作成してくれ!
とまで言われてしまいました。


長年の友であるイタリア人の彫金家の職人さんですが、
いい加減には仕事請け負えないので、何度となく注文を確認し、ぶつかります。
フルオーダーは今までにないデザインの提案となるので、よくこういう事になります。
しかし、私の親が亡くなった際に一番にお悔やみを送ってくる程の付き合いです。
アリカコレクション以外でこの様な関係を築けている所はないでしょう。喧嘩してもわかってくれると信じれる友です。
だから我々は、日本の最高峰の小売店やお客様にも胸を張ってお薦めできるのです。


なるべくして出来上がるデザインのマジック


お母様が使用していた宝石がうまい形で新しいデザインにマッチした最高の仕上がりとなりました。

何もかもがうまくいく
そういうものは、

やっぱり偶然の産物であったとしても何かなるべくして出来上がった感じがこちらとしても嬉しい。


長年風呂敷に巻かれて使われなかった形見のエメラルド。
デザインが変わった事でまた出番が回ってきそうです。
しっかりこれからも新しいご依頼主様とともに素晴らしい思い出を作っていっていただきたいと心から思います。




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