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素晴らしいものには、語りかけるデザインがあります。


このブローチは19世紀中ごろにイタリアにて作られた

花びらに用いられているのはダイヤモンドであるがローズカットと呼ばれる正十六面体カットのダイヤモンドです。

もちろん、当時は最新のカッティング技術であるのですが今日の常識ともいわれるブリリアントカット56面体カットと比べると

どことなく反射光が薄く、周りの自金のいろが余計に薄黒く見えています。


しかし、裏を返すとピンが独立し、花の部分がはなれ、茎もそれだけでデザインとして成り立つように出来上がっています。

また、身に着けた際どことなく主張しすぎずでも立派な花が正面を向く作りはとても安定している。


はたして、



このブローチを作るのにどれだけの時間をかけたのか?


当時の技術のすべてをもってこのブローチの主人に気に入られるためにゴールドスミスは日夜没頭したことだろう。

厚すぎない地金が繊細さを余計に強調しているこの技術は、かつて地金の重さやダイヤの大きさを競ったバブル期の成金ニッポン

では到底理解していただくことのできなかった”宝石を使った美術”です。


いまこの素朴さをローズカットを使って表現することができるものはいないだろう。






DIAMONDS ” Antique Flower ” BROACH by ALIKA COLLECTION


LOGO.jpg SALON 'D ALIKA KYOTO/ サロン・ド・アリカ京都




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